rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第37章 his affection to lover
「ハ・・――ァ・・・ッ」
「・・・ん・・」
「!ひゃ・・・ぅ・・」
「・・・他にも、もっと試せばよかったか・・」
「っ・・え・・・?」
「、・・・いや・・。それより・・・ほら、こっち向け」
低いながらもぱしゃぱしゃと波立っていた水面が静まる。
浴室に響き渡るのは、名無しの荒々しい吐息だけだった。
肩を上下させて息をする彼女の耳朶を甘噛みしながら、ナッシュはゆっくりと、陰部に飲み込ませていた自身の指を引き抜く。
濡れて光沢がかったそれを宙で動かせば、五指のあいだに透明の糸が出来、垂れ流れる線は掌をも艶めかせていた。
「ナッシュ・・・んん!・・・ッ」
液体がどれほど名無しの身体を引き立たせるか。
最初は好奇心から、遊びを前提に試すつもりだった。
けれど卑猥に肌を照らし、そのなめらかさに翻弄され、少し指を捏ね繰っただけで名無しは甘い声を上げ感じている。
幾度となく彼女を抱いていても、まだ呼び覚まされていない何か本能があるように思い、ナッシュは小さく独り言を口にした。
それを聞き逃した名無しが、息を乱しながら再び問うのは彼にも分かっていたことであり、当然ナッシュは同じ言葉を紡ぐことは二度となかった。
自分が居た祝いの場で、此処へ持ち帰ることの出来たものがまだあった事実を名無しが今知れば、きっと真っ向から嫌がるだろうから・・。