rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第37章 his affection to lover
「だから・・・フッ、お裾分けってやつだ。・・・なァ?ほら・・・」
ナッシュの肌の感触に心地よさを抱き、頭を後ろに倒して、彼の左肩にもたれこむ。
凝視せずとも横目に入るのは墨の曲線だ。
名無しが左肩を枕がわりにしたのは、それを見るととても落ち着いたから。
そして振り返れば、すぐに口吸い合える状態でもあった。
「ん・・・、っ・・?」
名無しはふいにキスを求め、後ろを向こうとした。
が、ナッシュは浴槽の傍は洗い場、名無しにとって死角になる場所へ片腕を伸ばし、その瞬間のキスを見送った。
見送ったのには当然理由がある。
腕を伸ばしたナッシュがそのとき手中に掴んだものを、再びその手で抱き締めた名無しの眼前にまずは運ぶため。
彼女の大きな目はさらに丸くなっていた。
ナッシュが持っていたのは、とある液体の入ったボトルだった。