rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第37章 his affection to lover
―――。
「――はぁ・・あったかい・・・」
「ああ」
「・・・ナッシュ・・あの・・・」
十数分後。
白い息を吐いていた名無しは、あたたかなナッシュの部屋に入ると、すぐに打診された入浴をするべく支度を整えた。
浴槽に早々溜められた湯の中、そこへ彼と共に浸かれば、身体の芯にまで響いていた冷えから瞬く間に解放される。
「おまえ、さっきオレが持ってた荷物が何か聞いてきたよな」
「っ・・え?・・・ん・・だって気になったから・・」
ナッシュの居るチームが派手なそれというのは勿論知っている。
メンバー一人の誕生日を祝うのも、それはそれは大層派手なのだろうということも想像に容易いものだ。
このときの名無しは、月日が過ぎ、やがて夏がやってきたとき彼に祝われる順番が訪れても、そこに行けない若干の寂寥感がないわけじゃなかった。
が、寂しさを今から抱くよりも、そんなことなど気にせずに当日は二人きりで過ごせばいいだけの話。
僅かな表情のゆがみを悟られて、変に思われるのも嫌だったゆえに、名無しはすぐに気持ちを切り替えた。