rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第37章 his affection to lover
とある週末、それは夜の出来事だった。
名無しが休日前夜にナッシュの部屋に行くことが習慣になってから、少しの時間が過ぎていた。
待ち合わせる場所は大体地下鉄の駅か、直接向かう彼の部屋の玄関先。
その日は後者でという連絡があったから、実際名無しは、部屋の前でナッシュの帰宅を待っていた。
「・・・!」
鍵を持っていても構わない。
いつの日だったか、そう言われたことはとても嬉しかった。
けれど自分としては、それはまだ早いからと言って敢えて遠慮した。
待つのは嫌いじゃないと名無しが付け加えた後、待つのは好きじゃない、とナッシュが返す。
その会話は、彼のベッドの中で起きたことだ。
小さく笑うナッシュは、名無しを抱き寄せながらその後、持ちたくなったらまた言えとスマートに口にするだけだった。