rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第6章 rain of fondnessⅡ-2
「ふ・・・、んん、ッ・・」
「・・・、ハッ・・・立ってられねえか・・?なら、オレが支えてやるよ・・・ン・・――」
声を抑えられなかった名無しは、なるたけ自らの指を噛み締めながら快感にぐっと耐えた。
その場ではどんなに嬌声を出せと言われても、本能と羞恥心が葛藤し、思わず腕が伸びたのだ。
が、ナッシュがその手を奪うと、今度は目標を名無しの胸から手先へと変え、彼はそこにいやらしく口先を宛がった。
入念に、と喩えられるほど指間を舐め、指先を吸い、まだあるであろう彼女の性感帯をじっくりとひろげてゆく。
感じるあまり虚ろになっていた名無しの視点が、その後まともに定まって再びナッシュを見つめたのは、奇しくも彼に、自分の左手薬指を噛まれた瞬間だった。
「ん・・・、――・・・フフッ・・」
「!――・・・・や・・脱・・・っ」
ナッシュは一頻り、その手その指を何度も愛でた。
けれどある程度ねぶり続けると、次いで彼は低みのある声音と微笑を名無しに奏で、そっとその場にしゃがみこんだ。
ようやく自身の膝を離し、一見、名無しの拘束を解いたように窺えても、それは自分が名無しの身体を・・・腹部から下を好きにするためだった。
匂い立つ汗のそれ、そしてもうひとつは――。