rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第6章 rain of fondnessⅡ-2
「は、ぁ・・・っ」
「・・・・・」
ナッシュは汗の滲んだ名無しの首筋に口付けると、そこをきゅっと吸い、同時に大きく舌を這わせた。
全体をくまなく、耳朶もひたひたと舐め回す。
彼女がこの二週間、自分で触れられなかったであろう、そして今欲しいであろう・・・愛撫のすべてを浴びせてみせる。
服を捲って出させた下着、そこから膨らんだ胸を剥く。
着ていたトップスと下着のあいだに覗く肌色はやけに淫猥で、清楚な身構えをしていた名無しの、実に汚し甲斐をナッシュは感じていた。
淡い桃色の乳輪を口含み、その内側で、ツンと勃った乳首を存分に転がせば、ナッシュが聞きたかった彼女の甘美な声は、いとも簡単に喉元から溢れ出た。
「あ!・・・・ぁ・・、んん・・」
「・・・二週間・・」
「!・・・・え・・?」
「フッ・・・いや。おまえはその声も・・・そのカオも。ココをこうすれば腰がヒクつくのも・・・、何も変わっちゃいねえ・・・まあ当然か・・」
「ッ・・・ふ、ぁ・・・ぁん・・・っ・・!!や・・」
胸を弄ぶナッシュの顔がすぐ近くにある。
髪や眉、鼻筋、長いまつげ。
少し横目に見れば、白肌の耳たぶに光る無機質なピアス。
愛撫を施すナッシュの口元は言うまでもなくとても官能的で、名無しの情欲をいとも簡単に誘っていた。
この舌に、つい先刻までずっとキスをされ、自分のそれと絡み合っていたと思うだけで背筋がぞくぞくとする。
そして、彼の舌と、自分の胸にかかる唾液の糸もまた、身体の奥に更に火をつけた。