rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第35章 fondness afterⅡ
「名無し・・」
「っ・・・かえして、・・よ・・・もう・・ッ、今日・・・それ着ないと・・。うう・・」
「・・・・」
片膝を立て、そこに肘をつき名無しを見つめる。
まるで初夜でも過ごしたかのような表情を零す彼女の無垢な反応と、意外なタイミングで必死に絞り出されていたのは一日の始まりの言葉。
顔の近くに下着を寄せ、名無しのことを横目に見つめていたナッシュは、ふと自主的にその態度を改めた。
改めたくなったのは、名無しだけに意識を集中させたいと無性に思ったからだった。
「わ・・っ!」
「・・・・」
今が何時だろうと、どんな状況だろうとそんなことはどうでもいい。
ただただ今すぐ、彼女を感じたい。
ナッシュは腰を浮かすと、両膝をベッドにつきながら一瞬四つん這い、名無しの腕に手を伸ばした。
その手を引き寄せ、ベッドに引き摺り込んだのは言うまでもないことだ・・。