rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第31章 rain of fondnessⅪ
自信に満ち、誰にも弱さを見せない。
欲しいものは必ず手に入れて、それを離すことなく、加えて奪わせない強かさも持っている。
形容しきれない、思うことは山のようにあったけれど、そんなナッシュを前に彼が頬を紅潮させ、戸惑っている姿を目の当たりに出来たことを、名無しは心底嬉しく感じていた。
そして、大好きだということも・・。
「・・ナッシュ・・・!ん・・・」
「、・・―――・・・はぁ・・。・・・オレの傍にいろ・・、ずっと・・・」
「――ッ、・・ん・・・」
頭をぐい、と寄せられて、何度でも触れ合う互いの唇。
音色が違えても再び耳にすることが出来た彼の言葉に、名無しは今にも涙が溢れそうだった。
ただただ幸せだったのは言うまでもないこと・・・。
甘い声で囁かれた、二度と聞けないと思っていたナッシュの想いを、面と向かってこの瞬間、受け入れることができたのだから。
「・・・・・・」