• テキストサイズ

rain of fondness【黒バス/ナッシュ】

第31章 rain of fondnessⅪ



大好きな枕は彼の左腕。

もうずっと伸ばされたこの手に、今は自らその身を寄り添わせていた。




「おい・・・あんま触んじゃねえよ・・」

「・・・ひょっとして・・くすぐったい・・?」

「~・・・ッチ・・」




こうやって過ごせる穏やかな夜が来ることを、ずっと夢見ていたのかもしれない。

そんなものは一生訪れないだろう。
考えることすら愚行だ・・・そう思っていたから、深いようで浅い眠りにしか、今まで就けなかった気がする。

段々とぐっすり目を閉じられる日が増えて、失いたくないと確信してその身に刻むのは、相手のぬくもり以外に考えられない・・・。


「~・・・さわっていいって言ったくせに・・」


ナッシュの腕の模様、そのひとつひとつの曲線を、首筋から順に白い細指でなぞる。
ベッドの上でまるで猫のように身体を丸め、じゃれた態度を見せる名無しの表情は、とても幸せそうだった。

そんな彼女を真横で見つめるナッシュもまた、穏やかな眼差しをしていた。


「あ・・・。あのね・・ナッシュ・・・」

「、あ・・・?」


/ 349ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp