rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第29章 rain of fondnessⅩ-4
「――・・・シュ、・・・!ぃ、・・・ッ」
「?」
「・・て・・・、――なか・・」
「名無し?」
「も・・、・・・いっちゃう・・から・・・ナッシュも出して・・?なかに・・・、欲しい――」
「!ッ・・・、・・フッ――・・・そんなもん、言われるまでもねえよ・・――」
「!!・・、・・・―――ッ」
好さのあまりに、欲に溺れていたナッシュが返した名無しへの言葉。
紡がれた一言が嬉しくて、珍しく、強がってしまったことを彼は自覚していた。
求められることがどれだけ恭悦に思えたか・・・。
その健気に回された細腕も、絞り出した言葉を奏でる甘い声色も。
自分を見つめる、長い睫毛のつぶらな瞳も――。