rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第29章 rain of fondnessⅩ-4
「名無し――は、・・ぁ・・・!っぐ・・――」
ナッシュは自らの高みが迫った直前、今よりもなお名無しを抱き締めると、更に離すまいという意志をそこへ強く込めた。
いやらしい格好だったことを忘れさせ、陽物が齎す、腹の内側を擦られた快感だけを彼女に味わわせる。
やがて陰部がよりぎゅっと引き締まると、それは紛れもなく名無しが果てたことを意味しており、その証拠に、華奢な下半身はくびれを中心として幾度も打ち震えていた。
たまらない声を上げ、得た享楽ゆえに、ナッシュのそれも連なって締まりの影響を受けている。
その状態のまま激しい抽送を繰り返せば、のちにぴたりと、前後させていた彼の腰も動きが止み、耳を擽るような吐息だけが名無しの傍で零された。
「ん・・・、!・・ン・・ッ」
「・・名無し・・――・・・ん・・」
絶頂の証を名無しのなかに残したナッシュは、キスをし続けることで、今はまだその余韻に浸っていたいことを、彼女に静かに示していた。