第29章 rain of fondnessⅩ-4

「んん・・・ナ・・、ァ・・」

「名無し・・」

「っ・・・ナッシュ・・、は・・・ぁ・・」


持ち上げた足はそのまま。
ナッシュはその部位と、もう一方の腕で名無しを改めて支えると、キスを続けながら胸を激しく揉みしだいた。

そのとき名無しは懇願もあいまって、あまりにも烈々とした口吸いの感触に思わず身じろいだ。
けれど、同時に律動が再び始まる予感も生まれると、壁際にあった自身の片腕をナッシュへと向かわせ、彼の耳元へと手を添えた。


「・・・ッ」


耳の穴へ細指を入れ、ピアスを含む外側のカーブをいやらしくなぞる。
その瞬間、腰は酷く打ち付けを浴びて、名無しはまた声高に喘ぎを漏らした。


「ん・・・っ」

「――ッ、・・あ・・・っ」

「はぁ・・・、・・ん・・・名無し・・」

「ッ、・・・ナッシュ・・」

「ああ・・・。ン・・・っ・・ァ・・」


肌に滲む汗が止まらない。
それに比例するように止みそうもなかったのは、無論、ナッシュの律動の他にはない。

見つめ合った瞳の奥に映る自分が今、どれだけ淫らになっていたことか・・・。

恥辱を越えた物欲しさに名無しの膣が自然と蠕動すれば、そこに居るナッシュを自ずと巻き込み、あとは互いを高め合うだけだろう。

目前に見えた絶頂が気を逸らせると、名無しはふと、キスの合間に小さく囁いた。

そしてそれは、彼の射精をより早めさせていた。