rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第29章 rain of fondnessⅩ-4
「・・・ん、・・・ちゅ・・――」
「・・名無し・・・」
「・・・ナッシュ・・?」
「――・・・ん、・・・」
「!・・・あ・・」
「フッ・・・まただ・・よく見える。まだ挿入ってるぜ・・・?ちゃんとおまえの中に・・」
上半身に自由が戻り、両腋からはナッシュの腕がすっと抜かれる。
それはつまり、彼女が再び、壁に手をつくことが可能だったということだ。
名無しはまず、片方だけその平面に小さなそれを添え戻すと、すぐに宙でフリーになっていたもう片方の手は、自身触れたいと思ったナッシュの頬へと伸ばしていた。
求められた唇・・・キスがしやすいよう、そうやって直感で選んだ両手の使い道。
すると自然と、赤く火照ってもなお、その形容にいまだ自然と馴染んでいた彼女の華奢な雪肌は、後背立位から少し横向きに体勢を変えていた。
顔が向き合うと、ナッシュはそこでより互いが離れないようにと名無しの太腿を一度掴み、そのまま膝裏にも腕を伸ばす。
そして彼は大胆にも、その片足を持ち上げた。
やっと両腕を好きに動かせる・・・そう思った矢先に今度は片足の自由を奪われて、そんな状況に名無しが勿論驚かないわけがない。
平衡を保てるよう、彼女の肩から腕にかかる片方のそれは、壁際も壁際、バスタブのコーナーにすぐさま密着をゆるしていた。
顕著になった腰のくびれはよりいやらしく、下半身は卑猥に大きく開き、その中心には当然ナッシュが沈んでいた。