rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第29章 rain of fondnessⅩ-4
「はぁ・・・はぁ、ン・・・ァ・・っも・・・、ナッシュ・・っ」
「なんだ・・・気持ち好かったくせに」
「ッ・・・、はァ・・」
「ほら・・・顔。よく見せろ・・・、ん・・」
「!ん・・・、ふぁ・・」
水面に舞う雫たちの爆ぜが消え、再び一旦静まった浴室に目立つ、それはしっとりとした空気。
腰まわりはゾクゾクとしており、そこへ伝う場の甘さが、痙攣のような症状も名無しに孕ませる。
止んだ律動の余韻とでも言えばいいのだろうか、だからといって二人に繋がりが無くなったわけではなかった分、名無しの陰部は継続して、未だひくひくと疼いていた。
「ん・・・」
振り向かされ、捩じらせる上半身。
唇を求められて、名無しは素直にそれを重ねる。
そのとき、さらさらの湯水に混ざり内腿や膝に垂れていたのは、彼女が出した新たな蜜だった。
立っていた所為で、足元へと落ちてゆく速度に差があったのは、後者にはとろみが含まれていたからだろう。
白っぽく濁りもあったその甘露は、ナッシュの猛りにも卑猥に絡みついていた。
互いにより性欲を掻き立てられる生々しいあたたかさ。
名無しは勿論、自分から彼を離すようなことはしなかった。
そしてナッシュもまた、名無しとの繋がりが解けないよう、艶めかしく腰を宛がい続けていた。