rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第25章 rain of fondnessⅨ-2
名無しはそのとき、ナッシュの声音がワントーン下がり、色気を匂わせる甘いそれに変化していたことに気付いた。
自分が素直に認めたからなのか、それゆえにご機嫌になったのか。
背を抱き留める左腕に、ぎゅっと力が込められる・・・。
濡れた身体は肩の曲線をなぞられて、そのまま名無しはナッシュに、潤みきっていた唇にも指を宛がわれた。
「好きで泊まってたわけじゃねえわりには、その度に・・・オレの腕にしがみついて眠ってやがったのは、どこの女だったか・・」
「・・・!え・・、んっ・・・」
「ちゅ・・――、フッ・・・初耳だろう?まあそりゃそうだろうよ・・・今初めて言ったんだからな」
「・・・ッ・・」
「・・あんな、何度引き剥がしてもしがみつかれりゃ、・・・―――」