rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第24章 rain of fondnessⅨ
『おい』
『っ・・・なに・・?』
『・・・・』
ただ、今彼が優先させたのは、身体を洗い、頃合ほどよく溜まった湯船の中に身を預け、ゆっくりと入浴することだった。
たとえそれだけで済まないことが分かっていても、ナッシュは泡を漂わせた名無しの下半身に、その場では実際いやらしく手を伸ばすことはなかった。
『そんなカオ・・・外でするなよ』
『・・・、え・・?・・・わ・・っ!』
『・・・ハァ・・ほら、溜まったぜ。さっさと入れ』
『っ・・・、ん・・』
わざと小さな声音を出し、全開に流れていたシャワーの音で、敢えて言葉を掻き消した。
囁かれたそれは名無しの耳には届かなかったけれど、その見た目とは裏腹に、付いていた泡を丁寧に流し落とす彼の仕草を目前で見ていれば、
ナッシュが何を口にしたか、名無しにはほんの少し理解できた。
同じように、自分の身体をボディソープで洗い、それを流す。
ナッシュが名無しと文字通り入浴したのは、そこからまもなくのことだった。
――。
―――。