rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第24章 rain of fondnessⅨ
『ッ・・同じが・・いいから・・嬉しい、な・・・って。・・思っただけ・・・』
『!・・・ハッ・・、・・・そうかよ・・』
『・・ッ、ひゃ・・ぅ・・』
ナッシュは名無しを自身の片腕に閉じ込めたままシャワーの出を強めにすると、すぐ近くのスタンドに置いていたボディソープに、空いた片方の手を伸ばした。
ポンプを数回親指で押し、手中に液体を垂らす様子は以前にも見覚えがあった。
泡立てる前の原液を、名無しの上半身になすりつける。
その滑らかな肌触りを指先で感じながら、次第に石鹸を彼女の全身に覆わせた。
名無しは赤面しながらその工程をただ黙って見ており、ゆっくりと原液が泡立ってゆく様子には焦れを覚えていた。
今更ではあるが、明るい場所で全身を見られていたからこそ、早く泡に塗れたいと思ったのだ。
うなじに滑るナッシュの指心地に目を細め、やがて泡が目立てば、身体ごと摺り寄せられる。
名無しはおかしな声を一度だけ上げると、再び覚束無い足元を彼に示した。
そして畳み掛けられるように、忘れた頃に仕出かされたことがまたひとつ――。