rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第24章 rain of fondnessⅨ
『ん・・・、んっ・・はぁ・・・!あ、・・んむ・・・』
『ん・・・』
『、・・ナッシュ・・・っ、あ・・』
『ん・・?』
『・・ッ・・・。も・・っと・・、飲む・・・』
『!・・・、ん・・』
たった数分間、それでも深く眠っていた身としては、水分補給は誰だって不可欠なもの。
喉の奥へと流し込んだ第一陣の美味さときたら、それこそ誰だって格別の味に感じられるだろう。
水なのだから当然味なんてない・・・。
けれどナッシュが口移してくれたことに対し、名無しは驚きながらも、それだけで終わらせることももうなかった。
すぐに追って来たのは嬉しさや、ささやかながら幸せだなと思うことのできるふわりとした優しい気持ち。
目の前で、互いの潤んだ唇に付いた水を自ら舐めとるナッシュを見上げ、名無しはまた、身体の奥がじんとする感触を覚えていた。