rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第23章 rain of fondnessⅧ-2
「・・・はぁ・・」
寝起きを繰り返し、決意に欠けるもやついたため息をひとつ吐く。
名無しはいまだにベッドの上に居た。
一頻り見つめた自分の携帯も鞄の中になおし、その鞄も、今ではソファの上に自らぽんと投げていた。
「・・・・・」
要は暇を持て余していたのだ。
暫くすればナッシュはシャワーを終え、浴室から戻ってくる。
知れた時間だったけれど、その知れた時間に思い返していた過去の記憶すら、既に振り返り終えて今は何もすることは皆無だった。
「・・・・」
暇を持て余したことで改めて感じる。
寂しいと思う以外に何も浮かばなかったのだ。
いつも気怠さに負けて置いてけぼりを食らっていても、今夜だけは、少しの時間でも意識を失ってしまった自分がきっと悪い。
だから名無しに彼を責めることはできなかった。
目を覚ましたのだから、後を追い、自分が浴室に行く・・・そこへ続くという選択も今ならとれるだろう。
そうしなかったのは、ナッシュに対し、単にどう顔向けすればいいか分からなかったからだ。