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rain of fondness【黒バス/ナッシュ】

第21章 rain of fondnessⅦ-5



『・・・・・』

『は、ぁ・・・ッ・・、ァ・・!!ん・・・』

『ハハ・・・ッ・・。イキやがった・・・』

『ッ・・・ち・・』

『違わねえんだよ・・!きゅうきゅうさせやがって・・・犯られてる分際でここまで濡らして、挙句の果てに中で達っちまったとくれば・・・おまえ・・』

『・・・っ・・』


絶頂に頭の中が真っ白になる・・・そういう喩えがよく用いられる理由は、体験してみて初めて分かることだ。
多幸感を味わい、一切の苦が消える。

何も考えられなくなるあの一瞬の出来事を嫌う者はまずいないだろう。

それがたとえ、合意の上でなくても・・。


名無しが荒らげた呼吸を続けながら目を閉じたのは、目に見えるものを見たくなかったという単純な理由が背景にあった。

合意の上でないセックスで達かされることの恥辱、屈辱、絶望、喪失感・・・自分が思い浮かべることのできる負の感情すべてが彼女に渦巻き、全身には虚が覆う。

自身に限って・・・といういわば傲りが自責の念を生み、好きでもない相手に犯されて見させられた、夢と花畑を枯らすことすら惜しむ、業の深さとその皮肉さ。

自分に起きたことに、うまく向き合えるわけもないと自覚するのも無理はなかった。


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