第20章 rain of fondnessⅦ-4

『ッ・・・あ・・』

『アー・・・外されちまったなぁ・・？フフッ・・・ん・・ちゅ――』

『！――・・・っ、いや・・・、やめ・・、ん・・』

『ん・・・はぁ・・、・・・』


組み伏せられてどれくらい時間が過ぎただろうか。
手首はほんのりと赤らみ、ナッシュの握力の強かさが垣間見える。

名無しは背に這う彼の片腕が自身の下着に触れ、容易に留め具を外される感触を目の当たりにしていた。
窮屈だった胸の圧迫がふわりと消え、トップスと同様に捲し上げられるそれ。

膨らみを見られて頬を染める名無しの、その顔のラインと耳たぶには、ナッシュの唾液による艶が乗っていた。


『あ・・・』


長らく耳朶を甘やかされ、淫猥な触手のように蠢く彼の舌に息は上がりっぱなし。
たとえ噛まれても痛みどころか・・・そんな想いをするために、こんな状況を望んでなど勿論いない。

このとき、ようやく腕は解放されたものの、なんとなく遠因は分かっていた。
おおかた自分が力いっぱい抗えない状態だったことを、ナッシュが計算していたのだろう。
両手を使って胸を揉まれ、深爪気味、ケアの行き届いている綺麗な指先で乳首を弾かれる。

詰られながらぴんと勃起したそれを口含まれ、名無しはただただ苦悶した。

そしてスカートと下着の内側が更に熱くなっていったことを、自身必死に否定するばかりだった。