rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第19章 rain of fondnessⅦ-3
『ん・・ッ、・・・ん・・』
『・・・、ん・・』
『!!・・・あ・・』
『フッ・・・此処が好いんだな?』
『ちがう・・・私・・そんな・・・!は、ァ・・』
『そう言い張るなら、それでもいいぜ・・・別に。どうしたっておまえは感じてるんだからな』
『っ・・・!あ・・』
名無しの敏感な部位に触れるナッシュは、暫くそれを止めることはなかった。
それはただ舐めているだけで腰をよがり、膝を揺らし、唇を震わせて喘ぐ彼女が単純に面白く、一頻り見ていたいと思ったがゆえの行いだった。
初めて会う男に見せる顔でもなければ、出して聞かせる声でもない。
それを平気でしてみせるほど感じている名無しの姿は、彼女を攻めるナッシュに持ちえたことのない感情をちらつかせるばかりか、昂らせさえする。
揺らぐことのなかった瞳の奥に混沌が起きたこともまた、今は互いに知ることはなかった。
苛立ちから奪った名無しの自由。
愛撫のひとつさえ省いて、ただ好き勝手に汚して、自身満たされたのちに適当に棄ててやる――。
そのつもりでいたナッシュの決意は、この時すでに鈍っていた。