rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第3章 rain of fondness3
「・・・はぁ・・っ・・・、はっ・・」
名無しが漸く人ごみから去り移り、向かったのは、ストリートコートから意外にもほど近いところ。
公園の入り口までは駆け足だった。
目が合ったときになんとなく、今互いにこの街、この区画にいるのならば、選択肢はふたつとないだろう・・・あそこでなら落ち合えるだろう・・・そう自然と思えたのだ。
ただそれは、彼女の持つ想いが当初のままであるならば、名無しにとっては辛いだけでしかないところではあったけれど――。
それぞれ二人が向かったのは、コート傍の通り、初めてすれ違った場所だった。