rain of fondness【黒バス/ナッシュ】
第16章 rain of fondnessⅥ
「――・・・――・・すぅ・・」
「っ・・・、――フゥ・・」
ナッシュは自身が二度目の射精を成した後も、名無しへのキスをやめることはなかった。
達したそのときまでずっとしていてほしいと・・・他ならぬ彼女が求め、ねだってきたそれだったからだ。
陽物を抜いた瞬間だけは少し唇は離れたけれど、名無しが大きく息を吸ったのを見計うと、再びその小さな口腔を塞いだ。
脳髄まで駆け上がった快感が散り散りになり、汗が全身に滲み平常心が自然と取り戻される。
キスをしたまま目を開くと、陶酔感に満ちた名無しが目前に居て、ナッシュは彼女のその表情をとても愛しく感じていた。
変わらずいつだって思うのは、他の誰にも渡すものか・・・この表情を見ていいのも、見ることが出来るのも、自分だけだということ。
組み敷いたままの体勢は変わらない。
武骨な大きな手で頭を撫でてやると、潤みを含んだ瞳を細めながら、名無しは喘ぎ疲れゆえに擦れてしまった声で、ナッシュの名を小さく囁いた。
疑問符を添えて聞き返した直後、名無しはその瞳を閉じると、すぐに意識を睡眠という形にして預け、ナッシュをほんの少し驚かせる。
そこで彼がふと思い出したのは、食事に向かう最中に交わした会話だった。