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神威の巫女【刀剣乱舞】R18

第10章 手の温もり一期一振



戦いが終わり、刀剣男士も審神者も必要ではなくなる日が来たら。
一期一振の問いに、ひゅうがは言葉を詰まらせた。

「その時は…………まだ、わからないかな」

困ったように笑うひゅうが。
その表情に一期一振は胸が締め付けられるような苦しさを覚えた。

「けど、この本丸でみんなと過ごして……毎日がすごく楽しい。だから、ずっとここにいられたらいいのに」

一期一振から顔を逸らし、遠くを見つめるひゅうがの横顔は、悲しげな表情をしていた。
まるで、それが叶わないかのように。

戦いが終われば、ひゅうがはどこかへいなくなってしまうのではないか。
そう思わずにいられなかった。

ひゅうがは儚く、脆い。
吹けば飛んでいってしまう綿毛のように、すぐにでもいなくなってしまいそうだ。
一期一振にはそう思えてならなかった。

「主……」

一期一振はこれまで、ひゅうがに必要とされたいと思っていた。
だが、必要とされたい、愛されたいと願うだけではなく、ひゅうがを必要とすることで、いつか彼女に必要とされたい。

ひゅうがを支え、護りたい。
彼女が一期一振にしてくれたように、一期一振もまたひゅうがを喜ばせたい。
彼女の心に寄り添いたいと思った。

「その時が来るように……誠心誠意、貴方に尽くします」

「一期一振……ありがとう」

自分がどう在るべきか、一期一振に答えが出たのた。
ひゅうがに寄り添い、彼女を護る刀でありたい。
その為に己を高めていこうと。
だが、一期一振には少し不安に思うことがあった。
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