第1章 初期刀 加州清光①
翌日。
ひゅうがはこんのすけと、刀が飾られている部屋に来ていた。
刀鍛冶のいる鍛冶場に隣接するその部屋、顕現の間だ。
そこには五振りの刀が飾られており、それぞれがひゅうがに何かを訴えるかのように淡く光っている。
「最初の刀をこちらからお選び下さい。貴方様が触れ、力を与えれば刀剣男士として顕現します」
こんのすけはひゅうがに刀を一振りだけ選ぶよう促すと、部屋から出て行った。選ぶのに時間がかかると思ったのだろうか。
ひゅうがは部屋の真ん中でぐるりと刀を見渡した。
どの刀も美しく、力強い気を感じられる。
だが、ひと際美しく、艶かしい気を纏った刀にひゅうがの目にとまった。
「この鞘の綺麗な紅色、なんだか懐かしく感じる……」
ひゅうがは刀と鞘を手に取り、刀を鞘に収めた。
そして、己の力を注ぐ。
力を注ぐひゅうがの手元が光り、刀を包み込むと、その眩しさにひゅうがは目を瞑った。