第2章 初期刀 加州清光②※R18
「……主?」
眠りについたひゅうがの顔を覗き込むと、加州はそっと涙を拭った。
まだ顔色が悪い。少しずつ回復してはいるが、このまま目覚めなかったらと不安を感じずにはいられない。
ひゅうがの力になりたい。
彼女のために何かしてあげたい。
まだ出会ったばかりだというのに、加州はひゅうがに惹かれるものがあった。
加州はひゅうがの顔を見つめると、頰に手を添える。
その頰は冷たく、赤みのない頰に加州の爪紅がより紅く映えていた。
「主……長生きしてくれなきゃ困るよ」
そう言って、加州はひゅうがに口付けた。
優しく、ひゅうがの額に一度。
そして……唇にも。
「可愛くしているから、大事にしてね。俺も主のこと大事にしてあげる」
ひゅうがを守りたい。
命途切れるまでーー
この日、加州はそう誓った。
加州にとって特別な夜。
それはもう、遠い日の出来事のように今の加州は感じた。
「明日からどんな顔で主に会えばいいのかなー」
こんな時、話を聞いてくれるヤツがいればいいのに。
そんな風に思いながら、加州は頭から布団を被る。
「…………?」
このまま寝てしまおう。
そう思っていた矢先、部屋の前に人の気配を感じ、加州は体を起こした。
この気配はーー