第1章 ∞ black eight

「ー春香、なんちゅー顔しとんの」



「そんなに変な顔？」






「ふぐみたいな顔してる」



「はい？」




それって褒めてないよね


絶対バカにしてるよね









「そない怒らんといて」



「いや」








「春香？」



「…」







「はぁ…なんやねん」




「…」



「…」






「侯くん？」



「…なに」





「怒らないで…ごめん」



さすがに怒った…？







「そんな悲しい顔せんといて」





侯くんがぎゅーっと

抱きしめる。





「だって、怒ったから」



「自分がシカトしたからやろ」





「まだ怒ってる…？」



「もう怒ってへん」





(きゅん)





「やっぱり、侯くん好き」






「なんや、いきなり


話飛びすぎやろ」




「好きって言いたくなった」





「…」






「あ、照れてる」






「うるさい


こっち見んといて」