第1章 ∞ black eight
「でも…」
「春香、前言ったこと覚えてるか?」
「え?」
「 言いたい事言わんと
後で辛くなるし おれは
春香が思ったことそのまま
言ってくれたら嬉しい」
そうだった
前に約束したんだ
ちゃんと言いたいこと言うって
「最近侯くん忙しいでしょ」
「そやな」
「だから、家では仕事の疲れ
取ってほしいから せっかくの休みを
邪魔するのもいやで、甘えるのも
やめようって思った」
「…おん」
「けど 結局わたし我慢
出来なくて 侯くんにもわがまま
ばかり言って… ごめん」
「そんなことない
おれは春香に甘えて欲しいし
頼っても欲しいんや
迷惑なんてことないし…
やから無理したらあかんで」
「…うん!」
「春香」
「なに?」
「おれ今日ヤスに嫉妬
したんやで」
「そうなの?」
「やから、今から俺のわがまま付き合えや」
「ちょ、待って」
「待たへん」
( チュッ )
「んん…」
私たちの長い夜は
これから始まりそうです。
Fin