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ある晴れた日に。

第1章 1







「...今日はたのしかったか?」


「ええ!人生の中で五本の指に入る程楽しかったわ!」


彼女は笑いながら五本指をたてた。
幼さが残るその仕草に心くすぐられながら、そんなに楽しませる事が出来たのかと嬉しくなった。


「ねえ、銀ちゃん。また遊びに行ってもいいかな?」

「おう。いつでもこいよ。」


そういうと


「ありがとう!これで私達はもうお友達ね!」

と嬉しそうにくるくると回った。

「(お友達か...)」


月の下笑いながら回る彼女はきらきら輝いていた。



「もう帰らなくちゃ。銀ちゃんまたね。」


彼女は突然止まると、俺の手をぎゅっと握って駆け出していった
俺の静止の声も聞かずに。






*************





銀時の元から離れたかえではまっすぐ城へ向かっていた。

道はよくわからなかったが、城は大きいから常に前に見えているし
籠がいれば拾えばいいと思い、あまり気にしていなかった。


とても素敵な人だった。
真っ直ぐな目をした、優しいお侍さん。

この時間が止まればいいとつい長居をしてしまった。
きっと流石に怒られる。2、3日は城から出してもらえないかもしれない。

それでもいいと思えるくらいに今日はいい1日だった。


「かえで様。お帰りでよろしいですか?」

「じいや...。やっぱりいたのね。」


路地裏から現れたじいやは少し疲れたような
嬉しそうな顔をしていた。


「楽しゅうございましたか?」

「ええ。とっても。しばらくはお稽古事に専念できそう。」

「ほう。それはようござんした。では明日からみっちりと」


微笑み合いながら、じいやの待たせていた車にそっと乗り込んだ。





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