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ある晴れた日に。

第1章 1







「そうだっ!天パさん!
天パさんは今日はお仕事ですか?」


突然きらきらした顔でそう言う彼女。

なんだか嫌な予感をかんじながら
「いや、暇だけど...」

とこぼすと


「じゃあ私に付き合ってください!」


なんて言われてしまった。





*************




そして俺は断れなかった。

いやーやっぱ美人の頼みは断れねーわ。うん。


荷物持ちでもさせられるのかと思ったら
彼女はこの街のことをほとんど知らなかった。

だから案内して欲しいとのこと。



もちろん気を使って女の子が好きそうな小物屋に連れて行ってみたり
着物屋も覗いてみたが

どちらかというと景色のいい丘や、木々が美しく生い茂った公園なんかに連れていくと
すごく喜んでいた。

夜になってもう帰ろうかと言うと
どうしても晩御飯だけ食べて帰りたいというので
ファミレスに連れていったら、初めてだったようで
次から次へと注文しだして、死ぬかと思った。



「はあー!お腹いっぱい!天パさん、今日はどうもありがとう」


「うえっぷ。よ、喜んでもらえてよかったわ」


吐き出しそうな口をおさえながらよろりよろりと大通りをあるく。

日が長くなってきたとはいえ
この時間じゃもう辺りは真っ暗だ。


「じゃあこれ依頼料です」


彼女はすっとぱんぱんに膨らんだポチ袋を差し出した。


「ん?あれ?俺、万事屋だって言ったか?」

「ううん。でもこれ公園で落としてたから。」


そう言って彼女は反対の手で俺の名刺を差し出した。

そうか。飲み物でも買ってやろーと
懐をいじりながら公園のベンチを離れた時に落としたらしい。


「依頼はここまでです。どうもありがとう。銀ちゃん?」


初めて呼ばれた名前に本当に楽しんだ後の様なその笑みに
俺は何も言えなくなって、つい同じように笑いながらポチ袋を受け取った





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