第1章 1
どこからか、誰かの声が聞こえてきた。
その声をきくと美人さんは少し顔を顰めて、おろおろとしだした。
「...なに、探されてるの?」
「えっ、ああ、まあ、はい。」
困ったような顔でキョロキョロする。
明らかに隠れる場所を探している。
いいとこのお嬢様のプチ家出かなにかか?
「俺の後ろに隠れな」
「えっ!」
俺がそう言うと驚いた様に俺を見上げる。
だが、俺の後ろが路地裏で
丁度人1人分しか隙間がないことから隠れられるとわかると
急いでするりと入ってきた。
あーこれであとから家にでも届けてやれば、仕事になるかもなー。
なんてうっすら思いながら、彼女をしっかり後ろに隠し
大通りを見渡していた。
すると、
明らかにじいやてきにな奴が汗をかきながら必死に走り
目の前を通り過ぎていった。
「ありがとうございます。助けていただいて。」
「んー?いいのいいの。なんてことねーよこれくらい」
路地裏から顔を出した彼女に、手をひらひらさせて応える。
すると、
俺の顔をじーっと見つめる彼女。
な、なんだ?
なんかついてるか?俺?
「ふふっおもしろい天パさんですね!」
「おまっ!天パさんって!天パさんはないんじゃないの!?天パさんは!!」
「えっ、天パさんは天パさんですよ。縮れ毛さんとかのがよかったですか?
それともチン毛「ノォォォォォ!!」
「めっ!女の子がそんな事言っちゃだめ!放送事故!」
「大丈夫ですよ。この作品は18歳未満の方は閲覧禁止となっておりますってあとから言っておけばいいんです。」
「やめてぇぇぇぇぇ!世界を崩壊させないでぇぇぇぇぇ!」
ぜーはー言いながらつっこむ俺に
天使みたいな笑みでくすくす笑っている彼女。
なんだこれ。やっぱり女はわかんねー。