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ある晴れた日に。

第3章 3







「かえでちゃーんお待たせー」

「近藤先生!お気遣いありがとうございます。」

「いいのいいの!
あっこれ、隊士達がかえでちゃんにって買ってきたんだ。
口に合うといいがな!
あ、トシはこっちな」



両手に盆をもってきた近藤は金箔があしらわれた大福をかえでの方に
たい焼きを土方と自分のほうに置いた。



「これは丸福屋の大福ですね!ありがとうございます。
並んだでしょう?」

「ガッハハッ!かえでちゃんは物知りだなー!
うちはいつも特別な来客のときはこれなんだ!」



もちもちの大福のかわにこし餡がたっぷり。
あんこに隠されている季節のフルーツが絶品だ。
いつもここの大福は美味しくて、抜け出した時に食べようとお店まで行ったことがある。
1日100個までらしく平日にもかかわらずかなりの人が並んでいたのを覚えている。

近藤や真選組の気遣いに顔が綻ぶ。



「いただきまーす…ん?どうしたかえでちゃん」

「いえっ…あの…」



大好きな大福より

気になるのは、近藤達に置かれたお盆。


魚のような形をした、なにか。
焼き菓子のようなものか?見たことがない。

どんな味がするのだろう…。



「あの…かえでちゃん…。食べずらい…,。」


「あっ!す、すいません…。」


気になるあまり食い入るように見つめていたらしい。
近藤達はたい焼きを手に持ったまま、困惑した顔をしている。
土方に至っては困惑半分怪訝そうな顔をしながら口が半開きだ。

でも、
気になる…。



「近藤先生…?
それは、一体なんですか?」


「えっ!?そ、それって!?」



近藤は周りをキョロキョロと見回し、なにか物珍しいものがあっただろうかと探る。
かえでの視線を辿り、見つけたものは


「たい焼き…?」

「たい焼き?たい焼きというのですか?それは。
鯛が入っているのでしょうか…。」


鯛が入っている割には小さいし、それに甘い香りがする。
もしかすると身だけをほぐして中にいれてあるのか。

ますます気になってしまう。

ぶつぶつと呟きだすかえでをみてじゃあと自分のたい焼きを差し出そうとする近藤。


「お前、食うか?」

「えっ!?宜しいのですか!?」


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