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ある晴れた日に。

第2章 2







楽しい昼食も終わり、次の稽古に向かう。

少し話しすぎてしまったか。
兄様の部屋から道場までは離れている。急いで向かわなくては。

私がお稽古で使っている道場は
他の人はあまり使わない、襖を開けたらすぐ中が伺える
こじんまりとした道場。

そして武術の先生は、恰幅が良くて
大きな声で笑う、ゴリラみたいな人。


先生がそこにいると、道場と先生の大きさがちぐはぐで
いつもなんだかおかしな気持ちになってしまう。



「おっ!かえでちゃん!待ってたぞー!」

「近藤先生、今日もよろしくお願いします。」


扉を開けると近藤先生はすでに到着していた。



近藤勲先生。


どこかの警察組織に勤めている方で

実家は剣術道場だったらしく、武術に長けていて
いつも丁寧に噛み砕いて教えてくれる、とても優しい先生。

奥の個室で道着に着替えて戻ると
先生の顔が腫れているのに気がついた。

グーパンチの跡がくっきりだ。


「あれ?先生、顔お怪我されてらっしゃいますよ?」

「ん?あー!これね!全然大丈夫!気にしなくていいから」

「…また想い人でしょうか」


私がそう言うと、少し照れたように笑う。

人の好意をどうして殴って返せるのか。と、少し憤りを感じるのだが
本人があまり気にしていないのに、こちらが気にする必要もない気がして
言葉には出せない。


「まあまあ!俺の話はいいからさ!早速はじめよう!」

「はい、よろしくお願いします。」


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