第1章 はじまり
最寄駅を降りて空を見上げる。
とっても澄んだ青空で 思わず目を細めた。
今日から新年度、烏野高校に通い始めて2年目になる。
ちなみに、今は兄の悠平と姉の紗智と3人暮らし。
両親は去年海外に転勤していった。
元々両親は外資系の会社に勤めていて、わたしが義務教育を終えるまで転勤を断り続けていたみたい。
おにいちゃんは同じく外資系の会社で4年目、おねえちゃんは大学3年生。
おにいちゃんは仕事大変そうだし、おねえちゃんはのんびり屋だから自然と家事はわたしがするようになった。
夕飯は各自バラバラな時が多い。
おにいちゃんの仕事の関係や、おねえちゃんのバイトで帰りが遅くなることがあるから一緒に夕飯っていうのはなかなか…。
朝ごはんもわたしの部活の関係で一緒には難しい。
でも、月に2回ご飯の日ってのを決めて3人で夕飯を食べてる。
因みに今日が、その日。
『今日の夕飯どうしようかなぁ』
そんなことを呟いてると後ろから声をかけられた。
「神山!おはよーっす!」
振り向くと陸上部の村上くんだった。
『おはよ。そっちは自主練?』
「もち。お前は?」
『んー?習慣?笑』
「んだそれ!笑 つーか、陸上部のマネージャーしてくんない?」
『またその話ー?やんないよ!笑』
「くそー!ま、あきらめねーけどな!」
『ご勝手にどうぞ!』
じゃあねと手を振り別れて、わたしは体育館へ向かうーーー