第1章 はじまり
お昼のお弁当を食べたあとは部活。
夕は1ヶ月バレー禁止のため、荷物を持って立ち上がる。
『まあ、仕方ないもんね…』
教室を出て行く夕を見送ってわたしもカバンを持つ。
「あ。いた!香ちゃん」
名前を呼ばれ、声がした方を見ると、そこには3年マネージャーの潔子先輩がいた。
『潔子先輩!どうしたんですか?』
こっちこっちと、手招きされる。
わたしは呼ばれるままドアのところに向かった。
「美女が2人…!」
「目の保養…!」
「清水先輩だ!憧れる…」
「あそこだけ空気が…」
クラスの子達がザワつき、何か言ってるけどイマイチ聞こえない。
潔「とりあえず行こう、香ちゃん」
『あ、はい!』
クラスが気になりつつも、潔子先輩のあとに続く。
話は今日の部活について。
先に先生のもとに行って入部届けが来てるか確認したあと、買い出しに行くということ。
潔「…しまった。澤村に買い出し行くって伝えておくの忘れてた。」
『あ、じゃあわたし体育館行って澤村先輩に伝えてきますね!』
潔「ごめんね。私は先生に入部届けのこと確認してくる。昇降口で待ってるね」
潔子先輩は小走りで階段を降りて行く。
わたしも急いで体育館へ向かった。