第1章 はじまり
体育館へ向かうと、入り口に教頭先生がいるのが見えた。
足を緩めソロソロと近づいて耳を立てる。
教頭「まさか喧嘩じゃないだろうね?」
龍「ゲッ、教頭!…せんせいっ」
龍の声の後に焦ったような澤村先輩の声が続く。
澤「喧嘩?!まさか!切磋琢磨ってやつですよっ、なっ?」
そろーっと体育館へ顔を出すと、そこにいた副主将の菅原先輩が気付いてくれて手招きする。
コソコソ菅原先輩の元へ行き小声で状況を聞き出した。
『スガ先輩、何事ですか?』
菅「いやー、入部希望の1年がさぁ…」
視線の先を見てみると、去年視察した子が2人もいた。