第2章 牛島若利とマネージャー
なんとか必死でもがいてみても
ビクともしない先輩に
男女の力の差を思い知らされる
「…やはりひ弱だな」
『……ひ弱って………先輩と比較されれば大抵の人はそうですよ』
口を膨らませてみせれば
いよいよもって親子のそれだ
「何してるんですか、牛島さん」
『…あ!白布!』
良い所に来た!と言わんばかりに
態度を一変させる
内心助かったと心の底から思ったのだ
「白布…今俺は、こいつの荷物を持たせてもらうよう、説得していた所だ」
「何を真面目な顔して言ってんですか」
呆れ果てる白布
「しかもそれ別に重くないでしょ…?牛島さん、あんまりマネージャーの仕事を奪おうとするのも、どうかと思いますよ?最近こんなことばっかじゃないですか。名前も困りますよ…?」
彼は私と違い頭が良い分
牛島先輩の説得も上手に
それっぽく言ってくれる
助かる
「…そうか、それはすまない。以後気を付けよう」
なんとも素直な反応
こういう所は、先輩でありながらも
動物的で可愛らしいと思う
「じゃ、俺らは先に体育館戻ってるから」
そう、牛島さんを連れて行く白布に
「うん、ありがとう」と手をかざした