第6章 『由良の途を』②
這いつくばる様に玄関へと向かい、カチャと開ける
すると向こうから扉は開かれ
「おじゃましまーすっ」
何の躊躇もなく家に入って来やがった
そして私がまだ玄関に居るにもかかわらず、黄瀬は勝手に手を洗い、テーブルの前にちょこんと座りこちらを見つめてくる
『……なに?』
ぶっきらぼうにモデルへ問い掛ける
「いや、ハンバーグ、作るんスよね?」
『……まぁ』
聞えてたのか、聞いてやがったのかっ!
「どうぞっ俺の事は気にせず、普段通り料理して良いっスよ!」
『…は?』
…もしかしてハンバーグ食いに来やがったのか?自分で作れよ
そう思うが私もお腹が空いているため作るしかない訳で
お肉も解凍しちゃったし
『…しょうがないわね』
そう囁き、調理を再開する