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短篇集

第4章 死柄木と一般人②





「なあ名前。そろそろお前の個性、教えろよ」




頬杖をカウンターにつきながら
向かいで黒霧の手伝いをする名前に声を掛ける


膝から解放してやった途端
そっち行きやがって



『え…嫌です』

「お前立場弁えてんのかどっちのスタンスなんだよ」



さっきまで大人しく膝座ってたくせにさ


「私も知りたいのですが、教えてはくれませんか?」

「なんで黒霧は下から行くんだよ。こいつが付け上がんだろ」

「はあ…」

『…黒霧さんのお願いなら、応えたいんですけど……恥ずかしくて』


「は?なんだその返答…喧嘩売られたのかな俺」


「死柄木…落ち着いてください」


「お前は好かれてるからそんな余裕でいられんだよ
むかつくなあ」



また死柄木の駄々が始まった



「名前ちゃんさあ
もう布団で一緒に寝てやんねえぞ」


『頼んだ覚えないですからね!』


「…死柄木……程々に…」


こいつにはもう帰る場所も
ましてや寝る場所すらない

まあ俺らが悪いんだけど




だからこいつは今
俺と一緒に生活させている



だってさ
玩具は近くに置いときたいじゃん





それに、こいつには俺の身の周りのことは全部させられるし
単純に暮らしてて楽だ

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