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短篇集

第4章 死柄木と一般人②




死柄木さんは私を

玩具とか人形の様に思っている





面倒な事なら炊事から雑用まで
身の周りの事を何かとさせられ

そしてバーにいる時は
まるで人形を抱く様に

私のことを抱き締める



いや
抱き締める、なんて甘い言い方は誤解を生むか

あれは
人形とかペットとか
そういう対象を可愛がるような
そんな感じだ


まあ、可愛がってくれているのなら
まだ良しとしよう


こと、死柄木に関しては
それだけでは済まされない事実がある

それは彼の個性



そう

これは抱き締めるとかそんな甘ったるいものでも
ましてや可愛がるなんて穏やかな行為でもない





これは単なる

脅しだ




殺されたくなければ大人しくしていろ

つまりはそういうことだ




死柄木はこの脅しを毎日やることで
私がここに囚われ続けるよう仕向けているに違いない






なあんて



きっと名前は
そんなことを思っているんだろう?


毎日抱き寄せても抵抗一つしない名前

そのくせ嬉しい訳でもないことは

その冷や汗が物語っている



怖がってる名前を
分かってて毎日手繰り寄せるのは






とっても愉快だ


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