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短篇集

第2章 牛島若利とマネージャー





『……え、そんな約束してましたっけ…?というか自主練は…?』


「約束は今した。そして今日は自主練はしない」

『うーん、質問の順番間違えた』



お堅い牛島先輩は
丁寧にどちらの疑問も解消してくれたが
私も含め、ここにいる全員が疑問に思っている核心部分の質問を先にするべきだったと後悔した


『…あの、どうして急にそんな話を…?というかなぜ私なんですか?帰るの意味も分からんし……あー…スコアブックとかに何か疑問点などあれば今お答えしますよ?』


そう、それだ。それを聞きたかったんだ。と、周囲の思いがひしひしと伝わってくる


「急で申し訳ないと思っている。だが俺は、どうしても今日君に話すべきことがあるんだ。スコアブックに関して疑問点などない。今回のもとても見やすかった。ありがとう」


あぁ、なんだか圧倒されそうだ


『……そう、ですか。……ではその話、というのは……?』


「え、それ聞くの??」

突如、ニヤニヤとした天童先輩が茶化し出し
それを大平さんが止める


「…話は、出来れば二人でしたい」

『わ、分かりました…』



そして二人

すぐ近所の寮までの道のりを
歩いて行く



二人が去った後、俺たちは

「ねぇ、賢二郎。あれ、アレだよね…??」

あれあれって…


「…おそらく……」


俺は少し苦い顔をしてしまった


幸い、部員の前での”アレ”にならなかっただけ牛島さんの判断に感謝する
もしそんなことになっていれば、不満の声が一部から上がるのは明白だっただろう



あぁでも


成功してくれれば

何も問題はないんだが
それはきっとまだ……



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