第13章 誰よりも強い、織田信長様
『丁度、庭先にいるし 素振りでもやろうかな。』
その辺にあった木刀を持ち
姿勢を正す。
『………やぁっ!』
素振りの構えを調え、
一振り。
『(うん、この感じなら続けても問題は無い)』
朝日は少しでも邪念があると
素振りの稽古は止めるように元の世の父上から
キツく言われていた。
『(少しでも怪我をする確率を下げる為と、
己から見失わない為に)』
一振一振、力を込めて打ち込むために
汗が滲む。
最後の一振が終わる。
『はぁっ!!!』
丁度、50回目が終わり
素振りを終了。
信長『ほぉ、素振りか。
俺との稽古の時より様になっているな。』
『あ!信長様!』
信長『貴様のいう褒美を
この俺が直々に伝えに来てやったぞ。』
『ははー! 有り難き!』
本当の主と家臣のような会話をし
朝日はお礼は何をすれば?と問い掛けた。
信長『貴様が俺にやる褒美は "俺に尽くせ"』
それが貴様が俺によこす褒美だ。
『え…?
既に僕は貴方様に尽くしていますが…?』
それでも足りないって、こと…?