第13章 誰よりも強い、織田信長様
信長『(それにしても、彼奴は飽きぬな)』パチ
相手もいない囲碁を1人で打ち、
朝日の言動等を思い出しながら
何を褒美にするか考えていた。
信長『(俺に褒美など、
俺自身が考えるとなると何も思い付かぬな)』
着々と天下布武を進めている中で
彼奴にしか出来ぬことがあるのか?
信長『………ふむ。(どうにもならんな)』
考えてはみるが何も思い付かない。
それでも碁を打つ手は止めない。
信長『(ここでこの手ならば、次の手は…)』
パチリパチリと碁の音が静かに響く。
信長『………………。』
ふと、囲碁版を見つめる。
信長『……よし。』
朝日に言われた褒美が思い付いた。
これならば彼奴を揶揄うことができる確信がある。
信長『ククッ、覚えておれ。朝日。』
うっすらと口元に笑みを浮かべた。