第12章 次は世話焼きの……秀吉さん!
秀吉『これから城下に行って、散歩でもしないか?』
この間の詫びだ。と付け加えて
僕に伝えてくれた。
御先祖様とは、乗馬で行った湖畔しか知らない。
『お金ないですけど、何か買ってくれたりしますか?』
秀吉『勿論だ、美味しい茶屋があるところを
知ってる。
俺のとっておきの場所だ。』
『んー……。』
少し考えた。
奥州では豆打が美味しいからよくお茶を飲んでたっけ。
嫌いじゃないから、返事は勿論。
『はい。
連れて行ってくださること、感謝致します。』
姿勢を正して頭を下げる。
それをみた秀吉さんは
秀吉『あ、頭を下げなくていいっ。
俺が詫びたいだけだ、そんなふうにしないでくれ。』
『そうですか?
なら、喜んで付き添わせていただきます。』
ふわりと柔らかく微笑んだその顔は
伊達 政宗に少し似ていた。
慈しむような、その微笑み方に
秀吉は息を飲んだ。
信長『………。此奴…。』
益々、政宗に似ているな。と
心の中で思う信長であった。
秀吉『あ、あぁ。
じゃあ、俺は門の前で待ってるからな。』
慌てないでこいよ。と
秀吉さんはそれだけ伝えると広間を出ていった。
政宗『朝日、俺も一緒に行ってやろうか?』
『政宗さんまで付いてこなくて大丈夫です。
僕だって、伊達なんですから。』
そこまで子供じゃないのに、心配性の父上みたいだ。
まったく…。
政宗『伊達どうこうより、お前の心配してるんだろう。』
『秀吉さんの僕に対するお詫びを無にしようと
しないでください。
僕だってたまにはお茶飲みたいから。』
そういいながら、広間を出た。
少し、言い方悪かったかな…?
着替える為に、自室に寄ってから
秀吉さんが待つ門へと向かった。
『あ、門って
正門と裏門聞くの忘れてた…。』
頭を抱えながら、結局御先祖様の元へ向かい
秀吉さんは普段どちらから城下に行くのかを聞きに行った。