第2章 〜始まりの出会い〜
政宗『信長様、政宗です。
入ってもよろしいですか?』
信長『あぁ、構わん。』
スッ…(襖を開け)
政宗『信長様が探していたやつを連れてきました。
こいつであっていますか?』
一応、御先祖様が同盟を組んでいたとされる信長の前だ。しっかりとするか。
また、秀吉に斬りかかられそうになるのも困る。
信長『……。』
見定めるように、値踏みをされるように、ジロジロとみられた。
僕は正座を正して、手をついて頭を下げた。
秀吉『貴様、前はよくも信長様の前で無礼を申したな。
命はないと思え。』
氷が突き刺すように、突き放された言葉。
だが、僕は何も言わない。
声を発すれば、バレてしまうから。
『……。』
政宗『おい、ちゃんと自分の名前くらい言えよ。』
信長『よい、構うな。』
小童、と言われた。
だから、僕女子だし。反応なんかしてやるか。
『……。』
秀吉『貴様、今度は黙るのか?
どれだけ信長様を侮辱すればっ!』
信長『秀吉、貴様は少し黙っていろ。』
しかしっ!という秀吉に、信長は眼を細めて黙らせた。
政宗が口を開いて……。
政宗『信長様、此奴は男の癖に声は少々高く、女子のような感じです。
それに、俺に変なことを言いました。』
信長『ほぉ、何を申した?』
政宗『自分は500年先からやってきた。
この時代の人じゃない、と。
苗字ももっていました。』
そのことにピクリと秀吉が反応する。
秀吉『苗字を、だと?
おい、貴様の苗字はなんだ?』
ようやく、僕は顔をあげて
『 伊達 朝日、と言います。』