第12章 次は世話焼きの……秀吉さん!
広間に着いたところで、
秀吉さんが襖を開けて通してくれた。
スッ……(襖を開き)
秀吉「ほら、先に入っていいぞ。」
『かたじけないでござる!
秀吉さん!』
秀吉「いや、なんでそんなに珍妙な言葉遣いなんだ?
お前は女子なんだから、もう少し…」
『秀吉さん、それは僕に言っちゃ
いけないですよ。』
途端に僕は一気に声色が低くなった。
"女子だから"という禁句ワードを聞いてしまったから。
『僕は500年先の世の、伊達家24代目当主。
女子だから、男子だから、そのような理由で
差別を受けるのは嫌です。』
秀吉「わ、悪かった。
そんなに怒ると思わなかったんだ。」
あからさまに悪いことをしたと思ってくれてる
秀吉さん。
僕も言い過ぎたかな。
『いえ、僕も言い過ぎでした。
不敬な発言、お許しを願います。』
刃向かってしまったことに対して
僕は謝った。
この時代の人ではない、僕だからこそ。
生きていくために、ちゃんとしなければ。。
秀吉「許すとなにも、俺がお前のことを
世話焼きすぎたのが原因だ。
怒ってないから、謝らなくていい。」
そういって、秀吉さんは僕の頭を撫でてくれた。
優しい手付きで撫でてくれるから
安心した。
政宗「2人とも、もう話しはいいのか?
広間入る前に大きな喧嘩は勘弁してくれ。」
せっかくの朝餉が
気持ち良く食べれないだろ?と政宗に言われ
家康「ほんと、子供みたい…。」
三成「家康様。
秀吉様は子供ではなく、大人でございますよ?」
家康「言葉の例えだから、三成は黙ってて。」
『そんなに家康も
怒らなくていいじゃん。三成くんが可哀想だよ。』
家康「こいつはそんなことに気付かないくらい
鈍感だからいいよ…。」
呆れたように家康が小さな溜め息をつくと
信長「貴様ら、いつまでも呆けてないで
さっさと朝餉の席に付け。」
秀吉「はっ!」
『朝餉だ〜!』
自分の席について
ゆっくりと朝餉を食しました。