第11章 最初は政宗から?
『ふふっ、漆の背に
僕と政宗さんが乗って大丈夫?』
そういって、僕も漆の鬣(たてがみ)を撫でた
返事をするように漆は鼻を僕に擦り寄せてくれた
政宗『大丈夫だ、俺の馬だぞ?』
『そうですね、政宗さんの馬なら……
漆なら大丈夫ですね!』
政宗『じゃあ、早速乗るぞ!』
『はい!』
最初に政宗が乗って、引っ張られるように
僕も乗る
『わぁ!
久々です!馬の背に乗るの!』
政宗『漆、行くぞ!』
漆の腹を蹴って、駆け出す
どうやら早駆けのようだ
『ちょっ、政宗さん!
速いですよ!走らせるの!』
政宗『ばぁーか、早駆けが1番気持ちいいんだよ!』
『知ってますけど!!
僕、病み上がり!わかってますか!?』
政宗『わかってる、もう少ししたら
速さも落としてやるよ』
『約束ですよ?』
その後は何も言わず、早駆けをして
暫く、散歩をしていた
『風、気持ちよかった……
漆、疲れない?大丈夫?』
そっと漆の背を撫でる
政宗『大丈夫だ、漆は長時間、散歩をするのが
好きなんだ』
『戦も?』
政宗『漆は戦が得意じゃない。
けど、外に長く出るのが好きなだけだ』
『そっか、そうなんだね。漆。』
そういって、背を撫でた。