第10章 急な発熱って辛い
次の日の朝、少し熱が下がったのか
朝日は呆けていた
隣で柱に身体を預けて寝ている政宗
看病してくれたんだと、ひと目でわかる
『ん、よいしょ……!
政宗さん、政宗さん?』
トントン、と肩を揺すり起こそうと
この時代だと、刀が傍にあるので先に遠くへ避ける
政宗『!』
すると、目を覚まして刀がある方を手に
持とうとすれば空振り
苦虫を噛み潰したように顔を歪める
『僕です、政宗さん。
暗殺など、したりしませんよ?』
政宗『なんだ、お前か。
すまない、香りに気づかなかった。』
人より、鼻が少し利く政宗
刀を遠ざけて正解だった〜
『やっぱり、刀遠ざけてよかったです。
はい、返します。』
政宗『あぁ、有難うな。
それより、熱はどうだ?』
『微熱くらいかと、思います。
動けない程ではないので、支障はありません。』
政宗『背中の痛みは?』
『そういえば、昨日薬を塗ってから
痛みがなくて』
みてもらえませんか?と政宗に問う
二つ返事で了承を得ることができ、みてもらう
すると……
秀吉『政宗、朝日、もう朝だ。
朝日の熱はどう、だ……』
返事を聞く前に開けてしまった襖
その光景に、秀吉は唖然としていた
秀吉『政宗!お前!!』
政宗『ちょっ、おいおい!
俺は此奴の背の傷を見るように頼まれたんだよ。』
秀吉『背の傷?
まだ痛むのか!?』
と、政宗から今度は僕に……
事情を説明し、納得してもらう
秀吉『成程な、勘違いをして悪かった。』
政宗『全くだ、俺は驚いた。』
『うん、正直僕も驚いた。
それで、背の傷はどうですか?』
政宗『あぁ、2人でみたが
昨日よりは治ってる、安心したぞ』
頭をぽんぽん、と撫でられる
これだけは心地よい……