第2章 〜始まりの出会い〜
『寒い……。夜はやっぱり冷えるな。』
確か、眼鏡かけた大学生が、乗馬にきてて……。
先祖が 伊達家の偉い方だったから、武芸の練習で乗馬してて、それで……。
『……思い出した。
僕の愛馬が急に倒れたから、落馬しそうになって……。』
近くにいたあの眼鏡の人を巻き込んでしまって……。
『なるほど、それが原因でこの時代か。
あの人は多分、織田信長だろう。 忠実な家臣は豊臣秀吉だな。』
しかも、小童って言ったし。
僕、こう見えて女だし。服装が男の者だからか?
それともなに、髪結ってる人で男の人いるの?
『はぁ……。』
何とか帰んないと……。
ザッ!!(馬の足音)
『ん?馬が駆ける足音だな。
信長が追いかけてきたか……。逃げるか。』
立ち上がって、荷物を準備する。
駆け出そうとしたその時。
??『見つけた。アンタだよね、信長様の探してる男って。』
『……。違います。
僕はここで道に迷った者です。』
??『ここで迷う人なんて、いないと思うけど?
信長様の領地だし、民がここに入ること、ないけど?』
『あはは、たまたま迷い込んだんですよ。
じゃあ、あちらに向かって帰りますので』
面倒だから、とっとと別な場所に行こう。
この人は徳川家康だ。喋り方的に。
??『逃がすかよ、お前は信長様の探してたやつに間違いねぇ。』
『っ!? ちょっ、なにする……!』
馬の音に気づかなかった。
時間稼ぎに、足止めされてたから……。
周りは他の兵で囲まれて……
それに、抱えられて、る……。
『ん?抱え、られて……?』
??『あぁ、しっかりとな』
ニヤリと笑われた
『なっ!何をする!!
僕は第24代目当主、 伊達 朝日と知ってやってるのか!?』
??『はぁ? お前何言ってんだよ。
俺が伊達だ。それに……。』
家康『アンタ、苗字持ってるんだね。
どっかの偉い奴なの?』
面倒くさそうに聞いてくる家康。
『は……?
まさか、いや、そんな……』
政宗『俺は伊達政宗。
今、お前も 伊達って。』
『……っ、失礼!!』
隠し持ってた木刀で、先祖様の腕を引っ叩いた。